· 短編映画館TOLLYWOOD代表 大槻貴宏氏からのメッセージ | DV、パソコン編集の普及により、映像を製作する事は益々身近になりました。更に、それらを流通させる手段(映画館、TVチャンネル、ビデオ、DVD、ブロードバンド等)の整備により、個人製作の作品でも「商品」として流通される機会も飛躍的に増加しています。 しかし残念ながら、「多くの人に見てもらいたい」と望むものの、「良い作品を作る」事だけが「自分の役目」であると思い込み、「見てもらうための行動」を取ろうとしない制作者が多いのが現状です。でも、例え「良い作品」を撮っても、誰もその事に気付いてくれなければ、意味は無いのではないでしょうか。
その点を考え、実際に行動を起こしたのが山田広野君です。 上映会場、条件を選ばず、バー、お笑いライブ、ミニシアターのレイトショー、映画祭、地方会場と精力的に「上演」しました。とにかく「観客に見てもらう」ことを第一に考え、実際に喜んでもらうことにより、一種の「宴会芸」から始まったものを「演芸」として広く認めさせ、8月18日のキャパ1,200人の中野ZERO大ホールでの「上演」に繋げました。
この「上演方式」を可能にした物が、「自らの撮影した素材に活弁をつける」という新しい活弁のスタイルである事は言うまでもありません。 まず、「録音」の必要が無くなり、製作費、撮影時間を押さえる事を可能にしました。又それは、制作本数の増加に繋がります。恐らく月に2,3本は新作を製作しているのではないでしょうか。自らの監督作品が増える事により、各所での定期公演も可能になりますし、それらをまとめて上映する特集上映といったイベントの開催も可能になります。又、次の作品は「1ヵ月後に上映」という告知により、リピーターの増加に繋がります。
これらの彼の「行動力」をトリウッドを始め他の映画館、映画祭、企業が評価しているのだと思います。「良いシナリオに一年必要」とか、「制作費が足りない」とか、「上映会場が無い」とか自分の「怠惰」の言い訳をする前に、自分の出来る範囲で考え、行動を起こしたのです。 「良い作品」を作る事は勿論大事です。しかし、「良い作品」であることを「知ってもらう事」が、どれだけ大事な事かをこのフォーラムで認識して頂ければ、次の作品を制作するとき、必ず役に立つと思います。
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